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2012年度秋学期PBLスタジオ1:メディア軸

S-meme05「地方都市の美術とツーリズム」

講師
五十嵐太郎(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻教授)
清水建人(せんだいメディアテーク企画活動支援室学芸員)
ゲスト講師
住友文彦(別府国際芸術祭キュレーター/前橋市新美術館開設準備室学芸員)
拝戸雅彦(愛知県県民生活部文化芸術課国際芸術祭推進室主任主査)
担当助手
斧澤未知子(SSD研究員)

【概要】

メディア軸スタジオでは、現在におけるメディアの状況を考察しつつ、実践としては最終的に仙台から発信する文化批評誌「S-meme」をつくることを目標に掲げている。

ゼロ年代に入り既存の雑誌が次々と消え、空気のように身近であった紙媒体による文化的インフラストラクチャーが喪失した一方で、数多くの同人誌やミニコミが出現し世代交代も起きている現状を踏まえ、そうした変動の時代に仙台から発信し、かつ地域に限定されない批評的なコンテンツをあわせもつ文化批評誌を考えるとともに、受講生である地域のクリエイターと大学院生が恊働し、特徴的な装幀を持つ雑誌を作り上げる。

五号目となる2012年秋学期のスタジオでは、「地方都市の美術とツーリズム」をテーマとし活動した。

【成果物】

五号目となる今回は、「地方都市の美術とツーリズム」をテーマとし、地方都市における美術館の役割、また国際芸術祭とツーリズムの関係も考えるべく、せんだいメディアテーク企画活動支援室学芸員の清水建人、地方にアートの場をつくり出しているキュレーターの住友文彦、あいちトリエンナーレにおいて行政とアートの現場をつなぐ役割を果たしている拝戸雅彦を講師として招き、レクチャーをしていただいた。

講義はレクチャー+編集会議、あるいは編集会議となっており、編集会議において雑誌の内容、装幀デザイン、作業の進捗などを確認する。今回は二回目に行なわれた「ネタ出し」で受講生から発表された「スローウォーク」の面白さが評価され、「アンチツーリズム」を考えるテーマとして特集のひとつとして大きく取り上げられるなどした。

S-memeは毎回、「製本部」(*)メンバーの方々にご協力をいただきながら、装幀デザインを進めている。今回は早い段階から受講生が積極的に製本部とのコンタクトを取りミーティングを重ね、受講生が出した「蛇腹案」アイデアに製本部が「一枚の紙から作る」アイデアを重ねるといったやり取りを経て、ユニークな装幀デザインを持つ雑誌を完成させた
*仙台卸町の印刷団地の若手職人と、同じく卸町にあるクリエイティブ・シェアオフィス「TRUNK」のクリエイターからなる、「紙と触れ合う」をテーマにゆるく活動する部活。

受講生が個人で取り組み雑誌記事を書き上げる「リサーチ」課題では、仙台の美術について、宮城県美術館、カメイ美術館、ギャラリーターンアラウンド、birdo flugas、美術家の青野文昭などを取り上げた。また、毎回担当教員と都合のつく受講生が参加し行なわれるフィールドワークで、今回は「スローウォーク」に取り組んだ。仙台市西側に延びるアーケード街を舞台に、時速300mほどの速さでゆっくりと歩行し、そこで採集された写真やメモを元に雑誌コンテンツを作成した。

そうして完成した今回のS-memeでは、レクチャー、リサーチ記事、スローウォーク特集の他にも論考「モノとヒトを動かす歴史意識—1920年代、日本」「アインシュタインの『日本美術』観」「宮城県現代美術史後半」等の論考、留学生である外国人受講生による英語でのレクチャーレビューなどが収録されている。また、「広げることで一枚の大きな紙になる蛇腹折り」「機械を稼働するとだんだん複数の色が混ざるグラデーション印刷」といった、加工技術と連動したユニークさを持った装幀の雑誌となった。

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「2012年度秋学期PBLスタジオ1:メディア軸」活動内容一覧

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