メモリアル・ランドスケープ
- 担当教員
- 小野田泰明(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻教授)
- 講師
- 木下斉 (一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事)
- 担当助手
- 岩澤拓海 (せんだいスクール・オブ・デザイン研究員)
【概要】
災害危険区域に指定され、住むことが許されない「荒浜」。現地再建、移転、住民のみならず学識も加わって2つの意見が対立し、未来を描くことが困難な状態に陥っている。本スタジオでは、それらを乗り越え小さくはじめ大きく育てる商店街再生の手法を用い、荒浜外の多くの市民を巻き込んで、住民がともにその未来を思いつづけるスキーマのデザインとその実現に取り組んだ。
【成果物】
復興に向けて前進する市街地。未だ未来像を共有出来ない沿岸部、荒浜。この離れた地をつなぎ、同じ仙台市としての未来について考える事を目指した企画「せんだい×荒浜ウィークエンド」を実施した。
企画はまちなかと荒浜の両方の地で行われた。まちなかでは、サンモール一番町で荒浜の過去・現在・未来について紹介し、考える「せんだいまちなか海岸」を開催。アーケードの壁面に荒浜の風景を明るく映し出し、トークセッションでは荒浜に関わる人達の話に多くの人が耳を傾けた。
荒浜では「荒浜キャンドルナイト」を行い、キャンドルの灯りと荒浜小学校卒業生によるライブに100人以上が足を運んだ。まちなかのワークショップでキャンドルポットに描かれた荒浜へのメッセージが普段明かりのない荒浜に浮かび上がり、まちなかの想いが荒浜に届く機会となった。
震災から2年半。まちなか、荒浜の人が再び仙台市の将来を共に描くきっかけとなったのではないだろうか。
「せんだい×荒浜ウィークエンド」
- 【せんだいまちなか海岸】
- [会場] サンモール一番町商店街
[日程] 2013年8/17[土]、8/18[日]
-
1日目
・13:00 – 開会
・15:00 – トークセッション1:[中井裕氏(東北大学大学院農学研究科教授)×佐藤善一氏(荒浜実行組合長)]
・18:00 – トークセッション2:[高山智行氏(HOPE FOR Project)×HUNGER(GAGLE)氏]
-
2日目
・13:00 – 開会
・15:00 – トークセッション1:[中井裕氏(東北大学大学院農学研究科教授)×佐藤善一氏(荒浜実行組合長)]
・18:00 – トークセッション2:[高山智行氏(HOPE FOR Project)×HUNGER(GAGLE)氏]
- 調査(荒浜とは)
- かつて豊かな自然に恵まれながら、今は災害危険区域に指定され、実質的に人が住むことの出来ない荒浜。この場所で活動する様々な人に話を伺い、土地と人について現場で数多くのことを知り、描きとめ、学んだ。
- 再生のメソッド
- 再生のデザインを物から人、そして資金の流れまで拡張する。小さく始めて大きく育てる。木下斉による実践的な指導が行われた。
- 多面的な準備
- 企画実施前に市中心部でキャンドルワークショップを行い、子どもから年配の方まで多くの方で賑わった。また広く市民へ企画を伝えるため、テレビ、ラジオ、新聞など様々なメディアで広報を行った。
- 実装
- 次の活動へ
- 主張(トークセッション)
- 荒浜の人、まちなかの人を組み合わせたトークセッションを「農」、「伝える」、「くらし」の3題について行った。活動する人の想いに、多くの人が立ち止まって耳を傾けた。トークセッションという場で、農という土地での業について、今後の協力が約束され、くらしについて話をすることで、立場を越えて、共に荒浜の魅力と未来について率直に語り合った。
- 伝える(映像投影/写真展示)
- 荒浜の過去の風景、現在の海辺の様子、活動をする様々な方々へのインタビューを通じて、荒浜の過去・現在・未来を伝える映像を商店街の壁面に投影した。また、被災前の集落の航空写真や現在の風景写真を、大きな天板の上に広げて展示した。来場者の声や荒浜の思い出をその場で写真に書き込み、荒浜の人、まちなかの人の想いを記していった。写真家前原猛さんによる震災後の荒浜の写真の展示も行った。
- 業(生産物・物品の販売)
- 業を通じて荒浜の土地の再生、コミュニティの再生に取り組む人々の協力を得て、野菜やコットン製品といった荒浜の生産物や住民の方の手作りグッズなどを販売した。モノを通じて、まちなかの人と荒浜の人の間で、またお互いの活動について対話が起こる場となった。
- 想い(キャンドルナイト/ワークショップ)
- 震災後の集落に明かりを灯すキャンドルナイトを荒浜小学校校庭で行った。まちなかでは、荒浜とまちなかの想いをつなげるという主旨で、手作りキャンドルの制作と、キャンドルポットへの絵付けを行った。まちなかからのメッセージが込められたキャンドルと、荒浜小学校卒業生の佐藤那美さんのArahama Callingsの演奏は、多くの人の想いが集まる場所をつくった。様々な人が荒浜の地に実際に訪れ、想いをはせる機会となった。
- 2014年度 春学期 PBLスタジオ1 メディア軸
- 2014年度 春学期 PBLスタジオ2 環境軸
- 2014年度 春学期 PBLスタジオ3 社会軸
- 2014年度 春学期 PBLスタジオ4 コミュニケーション軸
- 2014年度 春学期 PBLスタジオ5 国際軸
- 2014年度 春学期 Interactiveレクチャー
- 2014年度 春学期 クリエイター・イン・レジデンス
- 2014年度 春学期 Fラボ3
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- SSDe in 金沢 五日間集中ワークショップ「建築に触らない!?公共建築のリデザイン」
- 2010年度秋学期PBLスタジオ1:メディア軸
- 2010年度秋学期PBLスタジオ2:環境軸
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- 2010年度秋学期PBLスタジオ5:国際軸
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- 2011年度春学期ARP2:S-meme02「文化被災」
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- 2011年度秋学期Fラボ1:石上スタジオ
- 2011年度秋学期Fラボ2:平田スタジオ
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- 2013年度春学期ARP8:統合化インターフェースとしての公共スペースのデザインについて
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- 2013年度秋学期Interactiveレクチャー
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- 2014年度秋学期Fラボ3:エネルギースマートなイノベーション都市“仙台の明日”を考える
- 2014年度春学期CiR:文学館を再編集する
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