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2013年度秋学期PBLスタジオ1:メディア軸

S-meme07「仙台文学・映画の想像力」

担当教員
五十嵐太郎(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻教授)
講師
仲俣暁生(フリー/文芸批評家、編集者)
ゲスト講師
土方正志(有限会社荒蝦夷/編集者)
小川直人(せんだいメディアテーク/学芸員)
担当助手
斧澤未知子(せんだいスクール・オブ・デザイン研究員)

【概要】

メディア軸では、毎回の講義、スタジオを受講生による編集会議と位置付け、最終成果物として仙台から発信する文化批評誌である『S-meme』の第七号を制作する。テーマに基づいたリサーチ、インタビュー、フィールドワーク、原稿の執筆から編集・装幀デザインまで、雑誌制作に関わる全ての作業に自分の能力を活かしながら関わり、雑誌を完成させる。 第七号では、文学・映画を切り口として仙台を考え、現代の地方都市と物語的な想像力がどのような関係をもつかを探った。

【成果物】

「『S-meme』の7号は、満を持して文学と映画を特集する。(…)これまでにさまざまな側面から仙台の文化的なポテンシャルを測定してきたが、今回は物語的な想像力を扱う。実はメイン講師の文芸批評家・編集者である仲俣暁生氏には、震災前から依頼しており、当初の予定では2号でお願いする予定だった。ところが、東日本大震災が発生し、その後、五十嵐があいちトリエンナーレ2013の芸術監督をつとめたことから、アート系のテーマを先行させたなどの諸事情により、このタイミングになった。(…)震災後文学をテーマに、受講生が書評にとりくみ、自主的な議論によって『S-meme』独自の文学賞も決定した。仙台文学については、荒蝦夷の編集者、土方正志氏のレクチャーのほか、ミステリー比較分析やX橋の論考などを収録している。また受講生に仙台文学館のスタッフがいたことから、仙台文学館についての提案も試みたあり、その資料を活用し、みやぎ文芸誌の装幀史をまとめた。」五十嵐太郎「巻頭言|仙台文学・映画の想像力」より抜粋

文化批評誌の『S-meme』は、毎回、実験的な装幀デザインをめざしている。S-meme7の装幀では一枚の紙を蛇腹の輪にしてリバーシブルの仕様にしており、片面を読み終わったらくるりと反転させ、別な記事を読むことができる。裏面と表面で記事の性格やデザインを変え、表面では文学を真正面からテーマにした記事を「タテ書き」で、裏面では映画をテーマにした記事と、文学から発して考えたことをまとめた記事を「ヨコ書き」で載せている。

空間を内包する
広げて立てるとオブジェのようにもなり、大きな机の上に置くと、表面の記事の向こうに裏面の記事が見える。読書は普通、個人的なものだが、本を空間にしてしまうことで、内容をシンクロさせて読んだり、複数人で読んだり、状況や人数によって同じものを共有した「読む」の形ができる。
広げると一枚の紙になる
一枚の紙を蛇腹状にたたんで作っているため、ページを跨いで絵や文章を繋げたレイアウトを採用することができた。もちろん折りたたまれた状態でも読みやすいように考えたレイアウトにもなっている。
【製本】
今回は一冊当たり菊判三枚を使用し、折目はミシン目を型抜きで加工している。当初、背の部分のミシン目のために抜き型を二種類以上用いる計算だったが、コスト削減のために無意味なミシン目が残ることを許容する形で型を一種類にし、不可解な場所にミシン目が残った仕様になっている。形に応じた紙の検討も行ない、最終的にはコストの問題から採用しなかったが、OKACカード、NTラシャ、FB堅紙などの堅めの紙でモックアップを制作しその挙動を確かめながら形と紙の堅さの関係を考えた。
  • S-memeタテ書き面表紙
  • S-memeヨコ書き面表紙
  • S-meme蛇腹が輪っかになって繋がっている
  • S-meme『S-meme7』をひっくり返す動作

「2013年度秋学期PBLスタジオ1:メディア軸」活動内容一覧

-2014.03.03-
-2014.02.28-
-2014.02.06-
-2014.01.22-
-2014.01.08-
-2013.12.19-
-2013.11.27-
-2013.11.13-
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