2014.02.28
SSD2013年度秋学期PBLスタジオ1メディア軸成果物『S-meme7』入手方法について
(応募方法はこのページの一番下にあります)
仙台から発信する文化批評誌『S-meme』の第七号が完成しました。今回はテーマを「仙台文学・映画の想像力」とし、文芸評論家・編集者の仲俣暁生氏による「震災後の小説空間のリアリティ」、仙台を拠点に活動する出版社「荒蝦夷」代表の土方正志氏による「仙台の文学者とともに」、せんだいメディアテーク学芸員の小川直人氏による「映画のなか/そとの仙台」の三本のレクチャーと、受講生による「震災後文学」書評と「S-meme震災後文学賞」、仙台とブリスベンの二つの都市を映画「ゴールデンスランバー」を介して重ね合わせたワークショップ成果「映画の想像力」、仙台文学館への提案を交えたインタビュー「文学館提案20」、西村京太郎氏と在仙作家の伊坂幸太郎氏の小説に於ける仙台の描かれ方を比較した「仙台の内/外から見た小説の舞台としての『仙台』」など、その他にも仙台の文学と映画をテーマに様々なコンテンツを収録しています。
また、今回の装幀では「ひっくり返して二面読める本」に取り組みました。本としての挙動がスムースであることはもちろん、蛇腹を活かしてページを広げて読むこともできますし、机に置いて読む時のページが立ち上がるようなちょっとした挙動は普通の本と違っていて、新鮮に受け取って戴けるのではないかと思います。ミシン目は型抜きで施しており、意味の無いように見える場所にあるミシン目は型代を減らすために背表紙の部分の型を使い回してできたいわば「盲腸」です。蛇腹の張り合わせは受講生が自ら手で行ない一冊一冊仕上げています。
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「大事なことなので最初に書いておく。文化批評誌の『S-meme』は、毎回、実験的な装幀デザインをめざしているが、今回はついに空間を内包する本になった。ページをつまんで引っ張ると、ジグザグの形状で変化し、数ページをまとめて一覧することもできる。自立する幾何学的なオブジェにも見えるだろう。さらにアコーディオンのように開いていくと、すべてのページがひとつながりのループになる。机よりもはるかに大きな輪。くぐることもできるし、みなで手にとってまわしながら読むことも可能だ。ループの内側にもテキストは印刷されており、くるっとひっくり返すと(この作業には少々コツが必要だが)、別のコンテンツがあらわれる。つまり、リバーシブルな本だ。縦書きは横書きに変わり、文学から映像関係のトピックに切り替わる。これは受講生のアイデアをみなの集合知で発展させ、製本部の協力を得て、実現したデザインだ。だから、ミシン目があるからといって、誤って切らないこと。むろん、何度も反転させたり、乱暴に扱うと、どこかが破れるかもしれない。しかし、それはそれで帯状の雑誌として楽しめる。また全ページを切り取れば、カードとして扱えるだろう。変形するトランスフォーマーのような雑誌なのだ。」
(五十嵐太郎「巻頭言|仙台文学・映画の想像力」より)
どうぞ手にとって、紙のメディアでしかできないユニークな装幀を楽しんでください。
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S-meme7 目次
《タテ書き面》
巻頭言|仙台文学・映画の想像力 五十嵐太郎 p.2
レクチャー|仙台の文学者とともに 土方正志 p.4
レクチャー|震災後の小説空間とリアリティ 仲俣暁生 p.17
★震災後文学 第一部|書評 SSD2013年度秋学期メディア軸受講生 p.25
「聞き過ごしてきた警告音」(黒川創『いつか、この世界で起こっていたこと』)
冨田小緒里 p.26
「誰かのためでなく自分のための」(古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』)
志賀浩平 p.26
「リアルタイムに挿入された震災の傷跡」(佐伯一麦『還れぬ家』)
新野光 p.28
「状況に割かれた物語は現実を夢見るか」(川上弘美『神様2011』)
千葉まゆみ p.28
「不謹慎を隠れ蓑に戦後の問題を愛と共に叫ぶ」(高橋源一郎『恋する原発』)
佐々木暢 p.30
「救われる人々と報われない犬」(三浦明博『五郎丸の生涯』)
冨田小緒里 p.31
「いま踊っているダンスを踊り続けていく」(伊坂幸太郎『仙台ぐらし』)
志賀浩平 p.33
「想像力を向こう側まではたらかせてみる」(いとうせいこう『想像ラジオ』)
横山翔太 p.34
「震災が表れない震災後文学」(いとうせいこう『存在しない小説』)
横山翔太 p.35
「小さい存在の両義性、大きい存在の普遍性」(瀬名秀明『月と太陽』)
横山翔太 p.38
「日常に起こった小さな変化」(橋本治『初夏の色』)
新野光 p.38
「光る山から私たちに投げかけてくるもの」(玄侑宗久『光の山』)
佐々木暢 p.40
「誰がために光は降る」(熊谷達也『光降る丘』)
千葉まゆみ p.40
「繰り返せ、貞山堀の歴史」(佐伯一麦『麦の冒険』)
五反田萌 p.43
「分かり得ない気持ち」(絲山秋子『忘れられたワルツ』)
五反田萌 p.43
★震災後文学 第二部|震災後文学賞選評 佐々木暢、冨田小緒里 p.46
選評1|玄侑宗久『光の山』 p.47
選評2|川上弘美『神様2011』 p.48
選評3|黒川創『いつか、この世界で起こっていたこと』 p.48
選評4|伊坂幸太郎『仙台ぐらし』 p.49
選評5|橋本治『初夏の色』 p.49
★震災後文学 第二部 補足|震災後文学賞選考会
SSD2013年度秋学期メディア軸受講生 p.50
★論考|被災連載 横山翔大 p.54
《ヨコ書き面》
★リサーチワークショップ|映画の想像力…2つの都市を重ね合わせる
SSDメディア軸+東北大学五十嵐太郎研究室+オーストラリア・クイーンズランド大学 p.2
レクチャー|映画のなか/そとの仙台
小川直人 p.14
論考|仙台の日常を描く虚実混交のアイドルアニメ『Wake Up, Girls!』
加藤拓郎 p.26
★リサーチ|仙台の内/外から見た小説の舞台としての「仙台」
五反田萌、志賀浩平 p.29
★論考|文学の中に眠る過去・X橋定点観測
志賀浩平 p.37
★インタビュー|RE:プロジェクト 田澤紘子さん
聞き手:志賀浩平、冨田小緒里 p.40
★インタビュー|文学館提案20 赤間亜生さん
聞き手:新野光、千葉まゆみ、斧澤未知子 p.46
執筆者一覧 p.54
★リサーチ|宮城文芸誌の装丁史
横山翔大、冨田小緒里 p.54
(★=スタジオ受講生が執筆した原稿を示す)
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〈応募方法について〉
1)郵便、2)宅急便着払い、3)寄贈の3パターンがあります。
1) 郵便 ※学生の方はこちらでお願いいたします。
下記の応募フォームよりお申し込み後、返信用封筒(角型2号以上/390円分切手貼付/送り先住所記載)、もしくはレターパックライトの封筒を
同封した封筒(表面に「S-meme7希望」と赤字で記載)を
下記住所までお送り下さい。
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〒980-8577
仙台市青葉区片平2-1-1
通研2号館
東北大学大学院工学研究科
都市・建築学専攻内
せんだいスクール・オブ・デザイン事務局
S-meme担当係
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*返信用封筒への住所・氏名の記入方法はこのページ最下部のものを参考にしていただくと感じが良いです。
2) 宅急便着払い
下記の応募フォームよりご応募下さい。
【料金について】
参考 宮城県・東京都:740円/大阪府:950円
下記ページのサイズ60の金額となります。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/takkyubin/takkyu.html
3) 寄贈
私有ではなく、より多くの方が閲覧可能なライブラリ等の場所に収蔵する目的であれば、S-meme7を寄贈いたします。
下記の応募フォームに必要事項と、寄贈先の概要をご記入してご応募下さい。
なお、記入先の概要の内容を見て、寄贈先として適当であるかを考慮した上で、こちらで寄贈の可否を判断させていただきます。
*不可となる場合もあることをご了承ください。
本雑誌は少部数であるため、原則としてお一人様一部ずつの配布とさせていただきます。二部以上ご希望の方は、それぞれ別々に希望メール、返信用封筒入り郵便をお送り下さい。
*配布部数の上限に達してしまった場合は、先着順での配布となりますので、ご了承ください。
申込締切:3月31日(月)応募封筒必着
*発送作業は基本的に締め切り後にまとめて行います。到着まで少しお時間をいただくことをご了承下さい。
*バックナンバーをご希望の方は、件名を「S-memeバックナンバー希望」として、まずは一度こちらのアドレスまでご連絡下さい →
onozawa@archi.tohoku.ac.jp
– – – – – – – – – – – – – -〈S-meme7 応募フォーム〉- – – – – – – – – – – – – –
配布受付は終了いたしました。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
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