「瞬間をとじ込める椅子」
- 招待作家
- studio velocity[栗原健太郎+岩月美穂]
- 担当教員
- 本江正茂(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻准教授)
- 担当助手
- 斧澤未知子(せんだいスクール・オブ・デザイン研究員)
【概要】
クリエイター・イン・レジデンスでは、受講生は招待作家であるクリエイターの作品制作へ参加すると共に、その制作過程の観察から得た気付きを元に自らの「記録作品」を制作することを目指す。今回は愛知県岡崎市を拠点に活躍する建築家ユニットstudio velocityを招待作家に招き、 仙台に存在する植物を採取し座面となる樹脂の中にとじ込め、時間が止まったかのように植物が浮いている状態の椅子を制作した。
椅子は制作期間の後、愛知県で8月10日(土)から10月27日(日)まで開催される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ 2013」のstudio velocityの出展会場に設置・展示された。
【成果物】
今回のクリエイター・イン・レジデンスでは、愛知県岡崎市を拠点に活躍する建築家ユニット studio veloccity を招待作家として招いて滞在制作を行っていただき、仙台に存在する自然物を用いて、「瞬間を閉じ込める椅子」と題した、透明な樹脂と鉄パイプの脚からなる椅子の制作を行った。仙台の植物など、滞在期間に現地に存在する自然物を探し採取するところから始め、採取した自然物に長期保存の為の乾燥処理などを施した後、型枠の中に透明な硬化性の樹脂と一緒に流し込んで椅子を完成させた。透明な樹脂の座面の中に、時間が止まったかのように自然物が浮いている状態をつくりだした作品となっている。
椅子は全部で六脚制作され、座面の中にとじ込められている植物の種類やその配置でそれぞれ少しずつ異なった印象をつくり出している。製作期間は6月24日(月)~6月30日(日)となっているが、制作された椅子は、国際芸術展祭「あいちトリエンナーレ 2013」の studio velocity 出展会場である岡崎シビコ屋上に設置・展示され、訪れた人が実際に使用した。
クリエイター・イン・レジデンスでは、単に招待作家の滞在制作を手伝うことだけが科目のゴールではなく、受講生もクリエイターとして、制作経験を通じた気付き・着想を元に自らの作品である「記録作品」の制作を行う事が課題として課されている。記録作品の形式は決められておらず、各々の専門性、特技、着眼点によって自由に製作される。また、受講生は参加した日程に関しては所定の書式による「日報」で、制作の記録を取ることもが課された。
↑クリエイター・イン・レジデンス 滞在制作作品 瞬間をとじ込める椅子
- 「くりえいたー・いん・れじでんす失敗集」浅沼拓也
- 「「失敗は成功の元」 とはよく耳にする言葉だが、 今回のクリエイター・イン・レジデンスで作り上げた 「瞬間を閉じ込める椅子」 は、 試行錯誤を繰り返しながら 失敗に失敗を重ねて完成に至った代物である。 この冊子は、 制作過程における失敗や苦悩を集めた、 挫折と格闘の記録である。」
- 「時を封じ込めるーcirで流れた時間ー」今泉絵理花
- 「制作過程に流れる時間をカラーフィルムの中に閉じ込めたいと思った。参加した日に必ず、制作室に流れるものの姿を撮影し、24枚撮りのフィルムに閉じ込め、一枚一枚手焼きした。ベタ焼きの紙は、cirの日々の流れを感じるように。さらに、参加した日の印象的なシーンを計5枚大きく切り取った。」
- 「瞬間に閉じ込められなかったもの」佐藤里奈
- 「植物採取をした中で見つけた植物を絵に描いて残す。採取した日付で並べると、だんだん足元に近い植物が多くなっていく。約80種近い植物たちの半数以上は、乾燥させたり樹脂に浸すと色が大きく変化するものであったため、瞬間を閉じ込められなかったものたちである。」
- 「透明な椅子のサンバ」中島匠
- 「椅子の制作期間を通して、ボイスレコーダでさまざまな「音」を収集しました。野草園の副園長さんの剪定ばさみの音、椅子の型枠を叩く音、ヤスリで鉄の棒を磨く音、等の音を使って、サンバを作りました。この音楽は、お祭りのような熱気と共に過ぎ去った9日間の為の、オリジナルサウンドトラックです。」
- 「4つの季節を閉じ込める椅子 作品集」新野光
- 「6つの椅子に閉じ込められているのは6月25日の仙台の植物である。それは時、場所を超えて存在することができるようになった。では、もし制作したのが6月25日ではなかったらどのような椅子ができたのだろう?「時間」に着目し、季節ごとの瞬間を閉じ込めた椅子について考えた。」
- 「色の瞬間を閉じ込める」向山佳穂
- 「作品製作中に、土に生えている状態、摘んでしばらくたってから、樹脂を塗った時、ドライフラワーにした時のそれぞれで、植物の色味が変わっていく様子が印象に残った。シロツメクサとアジサイの二つを選び、それぞれの瞬間での色を写真から抜き取り、変化していく色の記録を一枚の紙にまとめた。」
- 「瞬間の瞬間」湯浅一葉
- 「椅子を作る8日間のうち、製作に関わった4日間の瞬間瞬間に思った事を、カードの中に閉じ込めました。カード自体のしかけによって、その見え方も瞬間ごとに移り変わります。」
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