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2012年度秋学期ARP6:復興地域におけるスマートコニュニティ

「復興地域におけるスマートコニュニティ 」

講師
石田壽一 (東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻教授)
藤山真美子(東北大学大学院環境科学研究科 研究企画室助手)
担当助手
鎌田恵子 (せんだいスクール・オブ・デザイン研究員)
協力など
オランダ大使館、岩手県、釜石市
SWW参加アドバイザー
【The Netherlands】
トン・フェンフーヴェン(建築家/ オランダ政府インフラストラクチャー主席アドヴァイザー)
マーゴット・ワイネン(ネクストジェネレーションインフラ財団科学ディレクター・TU デルフト教授)
マタイス・コック(HKV Water Lijn科学ディレクター・TU デルフト教授)
マーク・フラウデマンス(Stadslabs)
ハンス・テン・フーヴェ(オランダ基盤整備環境省)
【Japan】
山田尚義(東北経済産業局長)
田路和幸(東北大学環境科学研究科 研究科長・教授)
佐々隆裕(釡石市産業振興部 次長)
黒崎明 (東京大学生産技術研究所 特任教授)
小野田泰明(東北大学都市・建築学専攻 専攻長・教授)
石田壽一(東北大学都市・建築学専攻 教授)

【概要】

311震災以降、東北復興におけるスマートコミュニティ議論は、低炭素社会の実現以上に、災害に対する弾力性の高い都市環境整備の指針を巡って議論が交わされている。平時は気候変動問題や低炭素社会実現に向けて、災害時は災害情報やエネルギー需給等の有用情報を提供する情報ソースとして、ICTの見える化技術を応用した先進的なスマートまちづくりが試行されている。

本スタジオでは、現在「スマートコミュニティ基本計画」を策定している岩手県釜石市において開催された「オランダ・釜石スマートワークウィーク」に参加し、様々な立場のステークホルダーとワークショップを通じて議論を交わすことで、現実感を持ったスマートシティの在り方を学ぶことを目的とした。

【成果物】

arp6
2013/1/25 パネルディスカッション
日蘭の専門家によるパネルディスカッションでは、釜石の地域復興とスマートシティ計画において、地域性を持った都市要素がまちの資産としていかに重要か議論が行われ、都市要素を横断的・複合的にまとめあげていくオランダ式統合化手法の有用性に注目が集まった。今回SWWでアドバイザーの役割を担ったオランダは、スマートプロジェクトの先進国であると共に、治水や人口減少といった日本と共通の問題を抱えている。自然の脅威や治癒力を考慮した災害弾力性の高い都市計画手法や、様々な制度の壁を越えながら統合的に事業化していくコミュニティ形成の手法は今後の都市の在り方に示唆を与えるものとなった。
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2013/1/26 ワークショップ
ワークショップでは自然景観、インフラ、くらし、産業など釜石市を構成する様々な側面について地元住民を中心に意見交換が行われた。地域色や個別性を持った都市要素がまちの財産としていかに重要か議論が行われ、スマートシティというまったく新しいレイヤーが独立的に創造されるのではなく、都市要素を串刺しにして複合的・複層的にまとめあげていく統合化手法の有用性が共有された。また、自然の脅威や治癒力を考慮して災害弾力性の高いグリーン・インフラを用いた統合的なコミュニティ形成の手法が議論された。
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オランダ式統合化モデル・総括
今回のSWWでは地域固有のスマートシティをつくりあげるのに有効な手段として、オランダ式統合化レイヤーモデル(下図参照)が度々ディスカッションにあがった。優れたプロジェクトは常に複数のレイヤーで検討される必要性があると共に、課題の個別要件が独立に解決されるのではなく横断的に思考・統合化されることの重要性を示している。様々な制度の壁を越えて統合的に事業化していくオランダ式の思考に触れ、参加学生は、スマートワークウィーク参加後の課題として改めてそれぞれの考えるスマートシティの在り方をレポートと図にした。これまで概念的に捉えがちであったスマートシティがより具体的なイメージを持つことを実感したスタジオとなった。
  • arp6

「2012年度秋学期ARP6:復興地域におけるスマートコニュニティ」活動内容一覧

-2013.01.16-
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