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2011年度秋学期PBLスタジオ1:メディア軸

S-meme03「ショッピングと震災」

担当教員
五十嵐太郎(東北大学都市・建築学専攻教授)
講師
藤村龍至(東洋大学建築学科専任講師)
ゲスト講師
速水健朗 (編集者/ライター)
長谷川一 (明治学院大学文学部准教授)
担当助手
斧澤未知子(せんだいスクール・オブ・デザイン研究員)

【概要】

メディア軸スタジオでは、現在におけるメディアの状況を考察しつつ、実践としては最終的に仙台から発信する文化批評誌「S-meme」をつくることを目標に掲げている。

S-meme三号目となる2011年秋学期は、ゼロ年代以降の議論において、批判の対象としてではなく、むしろ可能性の手がかりとして注目されているショッピングセンターをテーマに掲げ、社会人と大学院生がチームを組み、仙台の事例の調査と、震災前後においてショッピングの空間はどう作動し変化したかを考察する。ゲストの速水健朗氏には、ショッピングモールの文化的な背景や日本と世界の事例を、長谷川一氏には著作『アトラクションの日常』をベースに身体と機械が縫合される現在の商空間についてレクチャーをしていただいた。

【成果物】

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2011年度秋学期のメディア軸スタジオでは、元々2011年度春学期に取り上げられる予定であったのが震災で先延ばしにされていたテーマ「郊外/ショッピングセンター」を、「震災とショッピング」として取り上げ直した。受講生は震災直後に自身が体験したショッピング環境についてリサーチを行い、記事をまとめた。
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S-meme三号の制作に当たって、講師として建築家の藤村龍至氏をお招きし、人口減少社会を迎えつつある今、拡散する都市構造をどのように再編すべきかという国土の問題に「ショッピング」のキーワードをいかにかぶせて考えていけるかを軸にレクチャーしていただいた。また、この学期のスタジオのレクチャーにきていただいた先生方はそれぞれに編集・出版業に携わっている方々でもあり、そういった観点からのお話もお聞きすることができた。
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思想系雑誌である「思想地図β」のショッピングモール特集の監修も担当なさったフリーランスの編集者・ライターである速水健朗さんには、ショッピングモールができた背景とショッピングモールの歴史、世界のショッピングモールの現在についてレクチャーしていただいた。
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明治学院大学文学部芸術学科准教授でメディア論・文化社会学を専門にされている長谷川一さんには現在の私たちをとりまく商空間の形式である「セルフサービス」について、「アトラクション」という概念を用いてレクチャーしていただいた。また、編集者経験も経て来られた長谷川さんには、S-meme03制作の上での受講生同士のコミュニケーションの取り方についても指南していただいた。
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レクチャー後に行なわれる編集会議では、「震災とショッピング」について、どういったリサーチを行なうかとその原稿についてのエスキス、装幀案の紹介などが繰り返されました。今回は震災後に身近に体験したショッピング・買い物の経験から、みやぎ生協でできた行列についての生協店長へのインタビューや仙台市中心部の商店街市民復興プロジェクトについてなど様々な記事が揃うこととなった。また、今回は仙台市近郊に位置する大型ショッピングモールを見てまわるフィールドワークも行なわれた。
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また、今回はショッピングフィールドワークを行なった後の感想を座談会形式で収録し、仙台を地元として暮らす受講生からの、地方都市におけるショッピング環境についての活き活きとした声を捉える事ができた。また、座談会の日は女性陣が自発的にテーブルクロスやお菓子を用意し、華やかな様子で会話が弾んだ。
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そういった中で、三号の装幀案にはフィールドワークに行った仙台の範囲を示せる地図、各々の受講生がリサーチしたエリア、仙台中心部のデパートの位置などが見て取れるように、「地図を大きく広げて見られること」がポイントとして浮かび上がってきた。このポイントを踏まえて製本部との打ち合わせで、大きくひろがるページがある案として表紙が大判になっており地図が大きく広げられる、また裏に折り返すとそのままブックカバーのようにコンパクトにできる案が提案された。
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この提案を元に、受講生、製本部の間を行き来しつつ検討を重ね各ディティールやアイデアを詰めていき、S-meme04の装幀は完成した。
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