2011.01.18
ミッドタームは、都市デザインのレビューです。
国際ワークショップでは、ミッドタームに向けて「ストーリーボード」という手法を援用しています。ワークショップではスライドショーを使ったプレゼンテーションを行うが、その際のストーリーを想定し、20コマ程度の絵コンテを描きながら、自分たちの提案の骨子を整理しつつ、その伝達に効果的なグラフィック素材を決めていくのです。
ブレストや、ストーリーボード構築では、ホワイトボードの壁面とピンアップウォール、大きな作業デスクといったスタジオを取り巻くインテリアウォールが大活躍!
都市デザインのグループは7つ。ひとつの着眼点を特化させることでSF的な発想へと暴走する案や、ある程度現実の状況に基づいた実現可能性に踏みとどまろうとする案まで、かなり幅広い提案が出てきます。コミュニケーションの中の小さなディテールからプロジェクトを思いも寄らない方向へと動きだすところは、この手のワークショップの面白いところであり、難しいところでもあります。
ミネラルサンドや太陽光などミルドゥーラで未活用の自然資源に着目し、オーストラリア内陸の砂漠化という未来像とともに地上高くにエネルギー生成型の空中都市を構想する案、ミルドゥーラを貫通するオーストラリア一長い直線道路Deakin Avenue(幅員200m、総延長12km)の分離帯に増加人口を受け入れるための開発を集中させるという極端な設定から、都市開発が既存都市にもたらすインパクトを検証する案、低層街区が並ぶミルドゥーラの街並みに対して過剰とも言える道路網に着目し、そこを建築化し、ポスト自動車社会における新しい移動概念と生活空間の地形をつくろうとする案、「単一のマスタープラン」ではなく、さまざまな時間的尺度を内包した都市的介入を複数の場所に展開しながら都市に新しいビジュアルアイデンティティを発生させようとするものなど。
ひとつの課題からこれほどのバリエーションが出てくるのか、と思うほど多彩な提案が出されました。