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[PBL5 国際軸]トラベリングワークショップ裏話編

2011.01.18

オーストラリアでは、人口増加が大きな社会的関心事となっているようです。(日本は人口減少社会だというのに!)
海外からの移民の増加に加えて、近年のベビーブームによる自然増加の影響もあり、現在2,300万人の総人口も、2050年には4,000万人に達すると予測されています。
人口増加を抑制すべきとの意見もあるなか、現実的な対応として、沿岸に点在する大都市(メルボルンやシドニーなど)やその周辺の中小都市の居住キャパシティを上げることや、さらには新都市建設(スマートインフラの議論にかこつけて?)の可能性までもが議論されています。
このスタジオでは、中小都市がいかにして増加人口を受け入れるかという課題設定で、そのモデルケースとしてミルドゥーラを取り上げています。

今回のワークショップのホスト校として課題設定や敷地選定などを行ったRMIT大学は、実はここ数年来、ミルドゥーラのさまざまな地域主体と連携しながら、人口増加問題、開発圧力と農地保全の調停、政治経済的議論にもつながる水資源や水環境のあり方、さらには中小都市における文化および観光に関する施策など、オーストラリアの地域的課題を多角的に検証し始めています。
トラベリングワークショップは、世界各地の教育拠点と共同でスタジオ教育を行うものですが、行く先々で、アカデミックと地域連携のさまざまな試みを間近に体験し、そして意見交換する機会でもあるのです。
異国の地域が抱える問題は、私たちが身を置く地域と共有できるものもあれば、一見共有しにくいものもありますが、グローバル化した世界では、一見正反対に見える事象も、その背景には同根の問題が潜んでいる可能性があります。
トラベリングワークショップは、他地域の問題や取り組みを通して、自分たちの地域を取り巻く問題をまったく異なる角度から見直すきっかけになるかも知れません。

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