2010.09.04
テーマ:
「映像情報と建造環境のハイブリッド・デザイン」
講師:
本江正茂(東北大学 都市・建築学専攻)
中西泰人(慶応義塾大学 環境情報学部)
茅原拓朗(宮城大学 事業構想学部)
助手:
阿部篤(せんだいスクール・オブ・デザイン)
趣旨:
このスタジオでは、建造環境のデザインと情報環境のデザイン、そして社会環境のデザインを統合されたひとつの「アーキテクチャの問題」として扱い、それらの諸環境を架橋するハイブリッドなデザインを構想する。それは、人間のコミュニケーション能力を拡張し、人間―環境系における様々な情報のやり取りをなめらかにするようなシステムのデザインとして実装されることになるだろう。具体的には、映像情報と建造環境の関係のプログラミングを通じて、人々の間に新たな振舞いやインタラクションをもたらす仕組みのありかたを考えたい。
課題:
都市の公共交通網を活用するための、環境的な情報のシステムを構想せよ。
ただし、複数のスケールを組み合わせたシステムとして提案すること。10人/1000人/10万人、10cm/10m/10km、10秒/10分/10時間など、スケールの単位は自由に設定してよい。それは、固有のパーソナリティでもなければ無名のマスでもない、中間的な人々の集団に対して介入するシステムである。
まずフィールドワークによって、都市の公共交通網の使われ方をよく観察し、様々なスケールにおいて、具体的な問題群を発見する。次いで、見出された問題群に接続しうる事実を統計データから探し出す。ネットにはあらゆる統計データがある。出典を意識しながら統計データを参照しストーリーを紡ぎ出す。
ストーリーを展開するための情報システムを構想し、インフォグラフィクス、イメージビデオ、プロトタイプを使ってのデモ、インタラクティブなインスタレーションなど、適切な表現手法によって、その構想の価値をアピールするプレゼンテーションを行なう。
そもそも「公共」の「交通」の「網」とは何なのか? ラディカルな問いからはじまる議論を期待する。
スケジュール:
01 11/12[金]18:00—20:00(本江、中西)レクチャ1:中西泰人「中西泰人の仕事」、アイスブレイク、課題説明、グループ分け、ファーストブレスト
02 11/13[土]10:00—12:00(本江、中西)ワークショップ1:ハイブリッド・デザインを探してフィールドワーク
03 12/01[水]18:00—20:00(本江)エスキス1
04 12/17[金]18:30—21:00(本江、中西)中間発表:フィールドワーク×統計データ=ストーリーの発表
05 12/18[土]10:00—12:30(本江、中西、茅原)レクチャ2:茅原拓郎(宮城大学)「環境から情報をとらえる身体」(オープンレクチャ)
06 01/07[金]18:30—21:00(本江、中西)ワークショップ2:システムの構想について各グループが発表
07 01/08[土]10:00—12:30(本江、中西)ワークショップ3:構想にふさわしい表現方法についてのブレスト
08 01/26[水]18:30—21:00(本江)エスキス2
09 02/02[水]18:30—21:00(本江)エスキス3:最終講評リハーサル
10 02/04[金]時刻未定(本江、中西)最終講評会
場所:
東北大学人間環境系プロジェクトスペース(製図室) / ギャラリー・トンチク
参考文献:
・Jane Fulton Suri+IDEO, thoughtless acts?, Chronicle Books, San Francisco, 2005
・河野哲也, 染谷昌義, 齋藤暢人 編著『環境のオントロジー』春秋社,2008
・イアン・ボーデン スケートボーディング 空間 都市̶身体と建築 新曜社
・藤井 聡, 谷口 綾子 モビリティ・マネジメント入門 学芸出版社
・読売広告社都市生活研究局 シビックプライド―都市のコミュニケーションをデザインする 宣伝会議
・ジャイメ レルネル 都市の鍼治療―元クリチバ市長の都市再生術 丸善
・月尾嘉男 装置としての都市 鹿島出版会
・黒川紀章 新遊牧騎馬民族 ノマドの時代―情報化社会のライフスタイル 徳間書店
備考
11/12終了後キックオフ懇親会、12/17終了後懇親会、02/04終了後(おそらく)パーティ