2011.12.16
2011年12月14日(水)Future Lab 01 石上スタジオのレクチャー+第一回エスキスを行いました。
講義は17時より、都市・建築学仮設校舎Katahira10の中のトンチクギャラリーから始まります。初回である今回は、スタジオマスターである石上先生にレクチャーをしていただきました。
東京都現代美術館でのガラスの空気幕の展示、2010年のヴェネチアビエンナーレでの展示、KAIT工房、施行中の個人住宅、秋田のグループホーム、KAIT工房横のカフェテラス、四角い風船などの作品を例にとりながら、実験、ラフさについて、快適さについて、建築のイメージ、スケールについて、夢と建築といった石上先生の考え方、大切にしていること、アプローチの仕方などの建築観が伝わるレクチャーをしていただきました。
レクチャー後の質疑応答では、10名の方に質問をいただき、その回答を通して石上先生の建築へのアプローチの仕方についてより深く知ることができたと思います。
レクチャーの後SSDプロジェクトルーム1に移り、スタジオ課題「こわれない建築」に対する四名の受講生の案のエスキスを行いました。
受講生には第一回目のエスキスで「こわれないこと」をデモンストレーションできるようなものを提出するように宿題が出されており、第一回エスキスまでに受講生同士で「こわれない建築」という課題へのアプローチの仕方についてミーティングを重ねて来ていましたが、しかし「こわれない建築」を考えてやろうとし始めるとどうしても「こわれない」が何か、ということを考え込んでしまい始めてしまうようなところがあって、提案がどうも焦点を結んでいないような状態でした。
そこで石上先生に指摘されたのは「何に対してこわれない」のかをはっきりと決めてしまうべきだということです。提案したものが実際の建築と同じ位の(実際に建つのだということが確かに想像されるような)強度を持つように建築を考えることが、課題であれ、そもそも建築を考える時には重要であり、「こわれない」が何かという、コンセプトを始める以前の概念的なところで立ち止まっているのは実際に建築をこの世に建ててやろうという時に全然実際的ではない。このスタジオで課題を通して練習して欲しいのは設定へのアプローチを強く突き詰めることで当たり前だと思っている限界を突破するようなものの作り方であり、その時に何に対して「こわれない」なのか実際に考えられる強度で、単純に決めれば決めるほど強く突き詰めることができるのだし、時速30キロメートルで壁にぶつけてこわれない、だとか、100キロの重みに対してこわれない、とかでも、とにかく「何に対してこわれない」なのかを決めるということは重要なのだ、ということが伝えられました(もちろんそこに何を設定するかにとてもセンスがいるという話があるのですが)。
この週の週末までに、
■何にこわれないかという条件
■そのこわれないイメージ
について提出することに決まりました。
1)講義について
石上純也レクチャー(17:00〜18:30)
スタジオ課題エスキス(18:30〜20:00)
2)次回講義について
日時:1月15日(日)時間未定
場所:東北大学都市・建築学専攻仮設校舎 Katahira10
内容:第二回スタジオ課題エスキス
講師:石上純也