2011.09.02
2011年8月26日[金]グラフィックデザイナーの木村博之さんをお招きし、仙台市卸町のクリエイターズシェアオフィスTRUNKにて、レクチャーとレビューを実施しました。
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木村先生はインフォグラフィクスがご専門のグラフィックデザイナーです。
インフォグラフィクスは情報を扱うコミュニケーションのデザインですが、スペースやプロダクトのデザインにも展開できます。その方向性は二つあります。ひとつは機能的で間違いをさせない「ヒトとモノ」のデザイン。たとえばAEDの使い方の案内図がメーカーによって違っていて、いざという時にこれを誰もが適切に使えるのか。
もうひとつは魅力的で分かりやすい「ヒトとヒト」のデザイン。いつもコンセプトを軸として、「伝わる」ための5つの要素(Attactive:見る人の目と心を引きつける/Clear:伝えたい情報を明確にする/Simple:必要な情報だけに簡略化する/Flow:人の目に沿うレイアウト/Wordless:言葉がなくても理解させる)を大事にしているそうです。
そしてもう一つ、Framing/Re-framingという、どの視点から素材を切り取るかというメタな視点を持つことも重要です。京都大学で火山学の鎌田浩毅先生のように、専門的な言葉づかいではなく、一般の人に届く言葉で情報を伝えるブリッジマン(橋渡しをする人)としての役割が求められるそうです。
レクチャでは過去のさまざまなお仕事もご紹介頂きました。
木村先生は宮城県女川町出身ですが、今まで津波については重要には考えてなくて、原発の方が怖かったそうです。避難訓練をした記憶もなく、過去の津波の慰霊碑があったこともはじめて知りました。今回の経験から、世代を越えて情報を伝えること、「つなぐ」デザインの大切さを強く感じているのだそうです。
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木村先生には受講生らのスタディ案についてのレビューをして頂きました。
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1)講義内容について
レクチャ「災害のデータスケープ」
講師:木村博之[TUBE GRAPHICS]
日時:8月26日[金]17:00-
場所:TRUNK|Creative Office Sharing (仙台市若林区卸町2-15-2 5F)
内容:レクチャ+質疑応答+レビュー
2)次回講義について
日時:9月2日[金]18:00-
場所:片平キャンパス
内容:エスキース