2012.01.29
2012年1月29日(日)石上スタジオの第三回エスキスを行いました。
前回のエスキスでは自分が取り組むテーマをはっきりさせ、どのように課題を進めるかのイメージをしっかり持つことの重要性が伝えられ、その結果
■やわらかいものでできていることでこわれない建築
■川の流れの中でもこわれない建築
■豪雪地帯の雪の重みでこわれない建築
というテーマがそれぞれ選ばれました。今回も各受講生が、その選んだテーマを元に進めた案の説明資料・模型を提示しながらこの二週間何を考えてきたかを話すところからはじまりました。
■やわらかいものでできていることでこわれない建築
やわらかいものでできた建築をテーマにすることを選んだ永田・鈴木受講生班は「やわらかい」のイメージをスポンジのような物に求め、ウレタンスポンジや発泡スポンジキットで作ったスポンジ、グラスウールなどで何かしようとした痕跡と、それがどんな建築になり何が可能になるかを考えた資料を提示しました。
■川の流れの中でもこわれない建築
川の流れの中で成立する建築をテーマに選んだ江川受講生は、敷地の設定と、川の中で静止し流れに耐えている物として橋の柱脚を参考にし、柱脚についての文献資料を参考に川の中で流れを受け流す力を考えた模型を作り、片平キャンパス近くを流れる広瀬川の中に沈めるなどの実験を行ってきました。
■豪雪地帯の雪の重みでこわれない建築
雪かきせずとも豪雪地帯の雪の重みに耐えるような建築をテーマに選んだ貝沼受講生は、敷地の設定と、雪の種類や豪雪地帯での建築の特徴(屋根の勾配や、屋根からの雪の落ち方など)を調べ、積雪に対応するための建築の形態の操作の面と、環境の操作の面からアイデアを出してきました。
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今回のエスキスでも、石上先生から重ねて問われたのは「自分は何がやりたいのか」ということでした。何をしたいのかをはっきりさせた上で取り組むことで、制作過程で出てくる多くの選択肢から「選ぶ」ことができます。これはとても単純なことのようですが、たとえば単にスポンジで建築をつくる、それがこわれない(普通に成立する)ように考える、と言った時にも考えることができる要点自体は無数にあります。自分が実現したいと思う建築の核は何なのかがはっきりしないと、その無数の要点全てに付き合うことになりますが、全ての要点が自分の実現したい建築にとって必要なことな訳ではありません。
今回の課題は、たとえば「凧をつくる」という課題にたとえることができ、「凧をつくる課題」というのは凧を作って凧が上手くあがれば「凧をつくる」ことに成功しているし、凧があがらなければ「凧をつくる」ことに失敗しています。それぐらい単純に判断できるような条件設定を自分で行ってクリアすることが重要だと伝えられました。
今回のエスキスでは、各自の案での検討点をより詰めて、より具体的に進めていく方針が確認されました。
1)講義内容について
12:00-16:00 エスキス
2)次回講義について
日時:02月12日(土)(不確定)
エスキス